粗目―ざらめ―

淡い恋

 高輪は叶子の担任であると同時に、理科の教師だ。
 叶子は理数系の科目は苦手だ。特に、電気がどうしたとか落下速度だとか、公式や単位の意味さえ覚えられない。

 しかし、生き物、生物分野は好きだった。細胞や微生物を顕微鏡で見るのはわくわくした。
 単細胞生物からの進化を考えると楽しかった。遺伝の法則も、何故かすんなり頭に入った。


 そして、大学で生物関係の研究をしていたという高輪を、叶子は頻繁に訪ねた。
 放課後、理科準備室まで。
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