─暴走族のお姫さま─
奈菜はすぐに
俺の腕の中で
寝息をたてて
眠りに落ちた。
そんな奈菜を
ベッドがある休憩室に
寝かせると俺は
那緒がいる場所に戻った。
「奈菜ちゃん寝ちゃった?」
そう聞いてくる那緒に
俺はちょっと怒って
「何飲ませたんだよ!?」
と言うと那緒は
ひきつった笑みを見せて
「ごめん、ごめん。
奈菜ちゃんが
お酒弱いの知らなくてさっ」
「見れば分かるだろうが!
奈菜に酒飲ませんな!!」
俺がそう言うと
那緒は寂しそうな
笑顔で
「未來はいいな。
奈菜ちゃんを
そんなに想えて」
その瞬間。
那緒に昔聞いた
過去を思い出した。