─暴走族のお姫さま─
ビックリしたけど
別に嫌だと思わなかった
あたしは抵抗しなかった。
「全然変わってない」
と男の人は呟いた。
「えっ?」
あたしは男の人ね
呟きが聞こえなくて
聞き返した。
すると男の人は
「いや、なんでもない。
家は近いの?」
と頬から手を離し
聞いてきた。
離れていく手に
あたしはなぜか
寂しさを感じた。
でもすぐに
「あっ、はい!!
あと直ぐの所です」
と言うと
あたしの頭を
クシャッと撫でて
「またな」
と言った。