─暴走族のお姫さま─
今でも忘れない。
あたしが本気で
お兄ちゃんと優真と
会えなくなるかもしれないと
思ったあの時。
────………
───……
それは、あたしが友達の
家に遊びに行って
帰りが遅くなってしまった
日のことだった。
その頃まだ小学2年生だった
あたしは毎日遅くなる時
お兄ちゃんが必ず迎えに
来てくれていた。
その日もあたしは
友達に電話を借りて
お兄ちゃんに迎えを
頼んでから友達の家を出た。
お兄ちゃんに言われた
場所に行くと
まだお兄ちゃんは
きてなかった。
いつもは10分くらいで来るのに
今日はなかなか来ない。
「お兄ちゃん…まだかなぁ…」
あたしはポツリと呟いた。