─暴走族のお姫さま─
30分経っても来ない
お兄ちゃんを不安に思い
あたしは1人で
テクテクと家の方向に
向かって歩き出した。
よし…
ココを曲がれば
家が見えてくるはず。
そう思って
角を曲がった時、
目の前には知らない
風景が広がっていた。
「ここ…どこ?」
あたしの心には
寂しさと不安と孤独感が
募っていく。
「お兄ちゃん…っ」
そう言って
泣き出した時だった。
「お嬢ちゃん。
迷子なのかな?」
知らないおじさんが
あたしの肩をしっかり掴んで
聞いてきた。