─暴走族のお姫さま─
■未來side■
俺には忘れられない
女の子がいる。
名前も知らない。
どこの学校かも知らない。
何歳かも知らない。
けど
あの顔だけは
忘れない。
背が小さくて
クリクリと大きくて
みていると
吸い込まれそうなほど
綺麗な茶色い瞳、
透き通るくらいに白い肌。
忘れない。
だってあんな女の子
初めてだった。
こんな俺を
怖がらなかったのも
軽蔑しなかったのも
救ってくれたのも
あの女の子が
全部初めてだった。