─暴走族のお姫さま─
あたしは
ふと思った。
お兄ちゃんって
彼女いるのかな?
お兄ちゃんのそばに
女の子がいるとこは
見たことないけど
いてもおかしくない年だよね。
「ねぇ、お兄ちゃんって
彼女いないの?」
するとお兄ちゃんは
あたしの頭に手を置いて
フッと微笑んだ。
「彼女はいないけど
未だに愛しい人はいる」
お兄ちゃんから
女の子の話って
初めてきく。
あたしは興味津々で
聞き入った。
「えー、誰だれ〜??」
「んー…
なんか…感じが
なんとなく奈菜に似てる」
「あたしに似てる?」
「ああ。
ドジなところが」
「何それ〜?
お兄ちゃんのバカ!!」
あたしはお兄ちゃんを
ポカポカ叩いた。