─暴走族のお姫さま─



「奈美が溜まり場に来たとき
息切れてて
走って逢いに来てくれたんだって
思ってすっげぇ嬉しくてさ」



置いていかれた未來は
どんな気持ちだったのかな?



きっと未來は
自分の想いを
押し殺したにちがいない。



「その夜に奈美が
『海に行きたい』
って言ったんだ。
だからバイクに2人で乗って
海に向かった」



すぐにわかった。



きっとこの時から
お兄ちゃんと奈美さんの
タイムリミットは
始まっていたんだ。



2人が一緒に
いられる時間の
タイムリミットが───……











< 211 / 564 >

この作品をシェア

pagetop