─暴走族のお姫さま─



「海に向かってるとき
奈美が後ろから
抱きつきながら
何か言ったんだ」



────………
───……



『ねぇっ!!壱真』



バイクの音が
奈美の声を小さくする。



『んー!?』



お兄ちゃんは
大きな声で聞き返した。



『壱真のことが──き』



なかなか聞こえなくて



『何だってー!?』



『だから──…』



次の瞬間──…



キキィィッ──…







ドン……─ッ






────………
───……











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