─暴走族のお姫さま─
ある日。
いつも通りに
家事を済ませて
昴さんが貸してくれた
あたし用の部屋で
音楽を聞いていたときだった。
──コンコン…
「はい?」
部屋がノックされて
返事をすると
昴さんが入ってきた。
「奈菜、今から
客来るんやけど…」
「あっ、はい。
迷惑かけないように
音楽消しますね!!」
そう言って
オーディオに
手を伸ばしたときだった。
「いや、ちゃうねん…
その客…奈菜に会いに来るねん」
「え…?」