─暴走族のお姫さま─
「ごめん…奏。
ごめんなさい…っ」
みんなに悲しい
顔をさせちゃうのは
いつだってあたしだ。
「何で奈菜ちゃんが
謝るんだよ…
ごめんな…本当にごめん。
奈菜ちゃんのこと傷つけた」
謝らないで奏。
叶もだった。
みんな謝らないで──…
あたしが弱いから
あたしがワガママだから
だからみんなを
傷つけちゃったんだよ…
ごめんね──…
あたしは奏の背中に腕を回した。
腕を回した瞬間
さっきよりも
痩せてると思った。
何も食べずにあたしを
探してくれていたのかな…?
顔にだって
クマができてた。
ごめんね…奏。
「こんなに痩せちゃって…
奈菜ちゃん、本当にごめん」
「奏だって
痩せちゃってるじゃん…」
みんな…
みんな傷ついたんだ。