─暴走族のお姫さま─



「ごめん…奏。
ごめんなさい…っ」



「何で奈菜ちゃんが
謝るんだよ…
ごめんな…本当にごめん。


なんで奈菜ちゃんが
謝るんだよ…



傷つけたのは
間違いなく俺たちの方なのに



謝ったりすんなよ…



「奏…あたしね、
ただ見てほしかっただけなの。
奈美さんじゃなくてあたしを。
奈美さんはみんなにとって
過去でも大切な人なのに
あたしってば
ワガママばっかりで…
やきもち妬いてたの…
本当にごめんなさい。


またみんなで
笑い合いたい…っ


間に合うのかな──…?」



ワガママなんかじゃない。



確かに奈美は
大切な人だった。



今も



過去も



でも…



ワガママなんかじゃない。



やきもちだって
妬いて当たり前だ。



奈美ちゃんは
我慢なんてしなくていい。










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