─暴走族のお姫さま─



次の日のお昼休み。


あたしは柚希に
昨日の男の人のことを
必死に力説していた。



「本当にカッコよかった!!」



「奈菜がそこまで
必死になるなんて
よっぽどカッコいいんだね」



「"誰の女がわかってんの?"
だって!!きゃー!!」




あたしはもう
運命の出逢いに
浮かれまくっていた。



そんなとき。



クラスの男子が
窓の外を見て



「うわ…っ
おい!!校門に
GOLD DRAGONの
未來さんが来てるぞ!!」



て慌てたような
驚いたような
表情でみんなに言った。



GOLD DRAGON?



何それ?



クラスのみんなは
窓から身を乗り出して
校門にいる
"未來さん"と言う人を見た。



そんなに有名人なの?



でも…どこかで
聞いたことある気がする…


気のせいかな…



そんなことを
思いながら
あたしも窓から
身を乗り出した。



その瞬間。



あたしの運命が
動き出した。











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