─暴走族のお姫さま─
せめて奈菜の安心を
確認したいんだ。
その時──…
──プルルル プルルル…
俺の携帯が
着信を知らせた。
ディスプレイを見ると
奏からだった。
「見つかったか!?」
「…うん、見つかった」
よかった──…
「今行く」
早く奈菜に会いたい。
会って抱き締めたい。
そう思いながら
急いで溜まり場に向かった。
でも
溜まり場についた
俺は自分をすごく
傷つけたい気持ちになった。
だって
溜まり場について
目に映った奈菜は
すごく痩せて
涙の跡が
たくさんついていたから──…