─暴走族のお姫さま─



せめて奈菜の安心を
確認したいんだ。



その時──…



──プルルル プルルル…



俺の携帯が
着信を知らせた。



ディスプレイを見ると
奏からだった。



「見つかったか!?」



「…うん、見つかった」



よかった──…



「今行く」



早く奈菜に会いたい。



会って抱き締めたい。



そう思いながら
急いで溜まり場に向かった。



でも



溜まり場についた
俺は自分をすごく
傷つけたい気持ちになった。



だって



溜まり場について
目に映った奈菜は
すごく痩せて
涙の跡が
たくさんついていたから──…












< 315 / 564 >

この作品をシェア

pagetop