─暴走族のお姫さま─



「…未來」



奏が言いにくそうに呟いた。



「わかってる…」



探している時も
ずっと決めていた。



奈菜をまた傷つけちゃう前に
奈菜を俺から離す──…



奈菜を傷つけないために
トップになったのに
けっきょくは傷つけてる。



これ以上一緒にいたら
お互いダメになってしまうから。



「「……」」



那緒と叶は
黙ったままだ。



「ごめん、奈菜」



俺はそう言って
最後のキスをした。












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