─暴走族のお姫さま─
「なー!!」
そう言って壱真は
俺から奈菜を取った。
「うるせぇな。
今はまだ奈菜のこと
寝かしといてくれ。
疲れてるから…あと
起きたら何か
食わしてやって」
「おぅ…」
「あと…」
伝えておいて
「今までありがとう。
楽しかった。
って言っといて」
「お前…」
「頼んだからな。
幸せにしろよ。
じゃあな」
ダメだ。
これ以上
ここにいたら
決心が揺れる。
早く
離れなきゃ。