─暴走族のお姫さま─



「そうやって
また手離すんだな」



那緒が冷たく言った。



「おい、那緒──…」



「けっきょくお前は
弱いんだよ」



奏が止めようとしても
那緒は言い続けた。



「傷つけちまう前に
守れよ!!」



「那緒!!」



奏はまだ那緒を
止めようとする。



「どうしようもねんだよとか
一緒にいてぇとか
言う前に奈菜を
守れる男になれよっ!!」



那緒の言葉が
痛いくらいに
心に染みた。











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