─暴走族のお姫さま─



あたしは彼の元まで急いだ。



彼は優しい笑顔で
腕を広げてくれていた。



あたしにはその意味が
わからず目の前で止まった。



「あのっ昨日は
ありがとうござっ──…
きゃあっ」



気がつけば
彼の腕の中で
抱き締められていた。



「奈菜」



昨日と同じ
香りに声。



安心する。



「み、未來さん?」



と言ったら



「あの時…」



突然、未來さんは
話し始めた。



あたしはまだ
未來さんの腕の中。











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