─暴走族のお姫さま─



ねぇ…未來。



今日はね
帰りに公園に寄ったよ。



やっぱり公園にも
未來との思い出が
たくさんあって
泣きたくなったよ。



結婚するって
言ってたのにね。



嘘つき──…



『愛してる』



嘘つき──…



『何があっても
俺から離れんなよ』



自分から離したくせに──…



多すぎる思い出が
進もうとする
あたしの足を止める。



今日も頭では
未來の声が響いていた。



なんとなく
声が聞こえた気がして
振り向くけど
今日も未來はいなかった。



ごめんね。



まだ前に
進めそうにないよ──…












< 365 / 564 >

この作品をシェア

pagetop