─暴走族のお姫さま─



あたしはそっと顔をあげた。



そこには悲しそうな
切なそうな
なんともいえない顔をした
奏が立っていた。



「奈菜ちゃん…」



「か…なで?」



「未來のこと…
わかってやって…
こうするしか…ないんだ」



わかってやって?



こうするしかない?



意味わかんないよ。



「わかんないよ!!」



あたしはそう言って
奏を突き放すと
その場から駆け出した。











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