─暴走族のお姫さま─
「奈菜…襲われたんだぞ!?
どうゆうことか
わかってんのかよ!?」
「……」
「奈菜は…奈菜は
一生消えない傷が
ついたんだよ──…!」
──ドクン…
「おい…叶」
那緒が俺から
叶を離して落ち着かせた。
「那緒…奈菜は?」
「倉庫の中にいる。
今は少しだけ
そっとしといた方が…」
俺は那緒の話を聞くと
倉庫を開けた。
那緒の話を聞いていなかった
わけじゃない。
でも
今すぐにでも
奈菜を抱き締めたかった。