─暴走族のお姫さま─
「奈菜…」
「来ないで…
お願いだから…っ
あたしを…見ないでっ」
俺は近くに倒れていた
奈菜を襲ったであろう
男たち3人を蹴り飛ばして
殴ってめちゃくちゃにした。
そんな俺を見た奈菜は
怯えながらも
「未來…ダメ…
死んじゃう…ダメだよ」
と言って俺の服を掴んだ。
こんなときでも
なんで男たちを庇うんだよ。
そう思ったけど
奈菜のお願いだから
俺はもう一発殴ってやめた。
「奈菜…ごめん」
奈菜は首を
横にブンブンと振った。
「守れなくて…ごめんな」
「…未來のせいじゃない」
俺のせいだよ。