─暴走族のお姫さま─



その時だった。



──ギィィ…



と倉庫の扉があいて
見慣れたような
懐かしいような
愛しい人の姿。



「奈菜…」


そう呼ぶ未來の声は
震えてた。



いつもみたいに
笑顔で奈菜って呼んでよ。



あなたの自信に満ち溢れた
声が好き。



そんな震えた声で
呼ばないで。



わかってる。



呼ばせてるのは
あたしなんだって。



ごめんね。



あたしが
汚れちゃったから。



ごめんね。



こんなあたしを見ないで──…












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