─暴走族のお姫さま─



柚希が背中を
擦ってくれるたびに
あたしは安心できた。



いつのまにかあたしは
意識を手放していて



柚希が救急車に
電話したのも



到着した救急車に
未來が乗せてくれたことも



付き添いで柚希がずっと
手を握っていてくれたことも



あたしは
何一つ知らなかった──…












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