─暴走族のお姫さま─



いつか



奈菜が俺に笑顔で
話してくれたことあった。


────………
───……



「ねぇねぇっ、未來!!」



「ん?」



「あのね、大人になったら
未來と結婚して
子どもが欲しいっ」



「子ども?」



「うんっ!!3人は欲しいな〜。
1人は女の子で2人は男の子。
女の子は大きくなったら
一緒に買い物に行けるし。
男の子は2人いたら
キャッチボールもできるし
寂しくないでしょ?
だから、3人は欲しい」



────………
───……



そう言っていた
奈菜の笑顔を思い出して
涙が出そうになった。



でも泣かない。



だって



今辛いのは
俺たちじゃない。



誰よりも奈菜が一番
辛いんだから──…












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