─暴走族のお姫さま─




「奈菜…どうした!?」



【怖い…】



怖いよ。



誰か助けてよ。



あたしを助けて──…



【…やっぱりあたし…汚れてる】



「奈菜…ごめん」



未來はそう言って
あたしを抱き締めた。



落ち着く。



全てが嘘に思える。



あたしには
未來が必要なんだ──…



その時だった。



ドアから叶と奏と
那緒と柚希が入ってきた。



泣いているあたしを見て
叶は悔しそうな顔をした。



那緒と柚希は
ただ黙って見つめてた。



奏だけが
申し訳なさそうに俯くと



「ごめん」



と呟いた。



みんなに責任感じさせて
あたしは最低だね。



強くならなきゃ。



もっと



もっと



強くならなきゃ。











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