─暴走族のお姫さま─



未來はドアを開けると
あたしの手を引き
中へと入れた。



【おじゃまします】



声には出ないものの
あたしはちゃんと言った。



未來は笑いながら
部屋に行っててと
あたしに言った。



未來の部屋は
二階の一番奥にあって
ドアには掛札が
ぶら下がっていた。



たぶん小さい頃に
つけたんだろうな…



可愛く小さな平仮名が
【みらい】と並んでいた。


──ガチャ…



ドアを開くと
未來の香りが
あたしを包み込んだ。












< 507 / 564 >

この作品をシェア

pagetop