─暴走族のお姫さま─
未來はドアを開けると
あたしの手を引き
中へと入れた。
【おじゃまします】
声には出ないものの
あたしはちゃんと言った。
未來は笑いながら
部屋に行っててと
あたしに言った。
未來の部屋は
二階の一番奥にあって
ドアには掛札が
ぶら下がっていた。
たぶん小さい頃に
つけたんだろうな…
可愛く小さな平仮名が
【みらい】と並んでいた。
──ガチャ…
ドアを開くと
未來の香りが
あたしを包み込んだ。