─暴走族のお姫さま─
未來の息を背中で感じる。
「愛してる」
【あたしも】
「奈菜…こっち向いて」
あたしは黙って
向き合うように
また未來の膝に座った。
あたしが膝に座っているから
今はあたしの方が未來を
見下ろす形になっている。
未來はあたしを見上げて
キスをした。
長い
長い
幸せなキス。
あたしは知らない内に
未來の首に腕を回していた。
だんだん深くなっていくキス。
未來の腕もあたしの腰に
まわしてきた。
【─…っ】
荒くなる息づかい。