─暴走族のお姫さま─
次の日。
あたしと未來は
柚希と赤ちゃんの
様子を見に来ていた。
──コンコン…
「はい、どうぞ」
ノックして一枚の扉を境に
柚希の元気な声が聞こえた。
「どうも」
【調子はどう?】
あたしと未來は
そう言いながら
柚希に近寄った。
「うん、だいぶいいよ」
【そっか、よかった】
「わざわざありがとね。
奈菜…未來くんと
赤ちゃん見てきた?」
【ううん…まだだよ】
「今見てきたら?」
【うん…そうしよっかな】
あたしはそう言って
立ち上がった。
さっきから
胸が痛い。
大丈夫。
上手く笑えてたよね…?