─暴走族のお姫さま─
「…ったく」
と言うと未来さんは
あたしをフワッと
持ち上げて
お姫さま抱っこした。
未来さんの
甘い香りが
鼻をくすぐる。
あたしは未来さんの
首に顔を埋めると
「ちゅきちゅきー」
と言ってスリスリした。
「くすぐってぇな」
そう言いながらも
笑っている
未来さんが
愛しくてたまらなかった。
あたしの瞳に
未来さんの笑顔が
広がっている。
あたしは幸せなまま
目を綴じた──…