俺様+妹=切ない
数分以内に心肺蘇生が成功しなければ、れんは死んでしまう……



「よし、電気ショックを与えるんだ!」



緊迫した雰囲気に支配された分娩室に電気的除細動を行う為の無機質な機械音だけが流れる。


『助けて下さい!!
れんは、奇跡の少女なんですよ。
絶対に奇跡は起こります。
お願いしますよ!!』



俺はプロジェクトチーム長の医師に必死にすがりついた。



「ベストは尽くさせて頂きますが、このケースの場合は……」


れん。
絶対に死ぬんじゃねぇぞ。



まだ夢だったウェディングドレスだって着てねぇじゃねぇか。


まだ命懸けで産んでくれた二人の愛の結晶の赤ちゃんだって抱いてねぇじゃねぇか。



『頼む!
蘇生してくれっ!!』
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