私の秘密の旦那様
「さて、時間だし行くか。」

「そうね。」

「え、どこに行くの!?」

「お見合い会場よ」


お見合い会場…。ってことは、お見合いはこの部屋でするわけじゃないんだ。



私たちは、お見合いをする部屋へ移動することになった。

部屋に入る前だが…既に断ると決めてるのに
どうしても、


   いつも
ドキドキするんだよね。

トントン…

「はい。」

優しそうな女の人の声が聞こえた。
お見合い相手のお母様、かしら?

「失礼致します。」

お父様が一言、言って
ドアを開けた。

すると、そこには…


先生…………!?


「謙司(ケンジ)!栞(シオリ)!優ちゃん久しぶり♪

何年ぶりかしら!元気だった?」

そう言いながら中へ入っていく私の両親。

私は……どうしよう。

それより…相手は………え…?嘘!…この人…お見合い相手、だよね?

私のお見合いの相手って………………………先生だったの!?

てか
謙司?栞?…ハァ!?
え………誰!?

もしかして…先生のご両親?
てか、若くない!?
まさか…代理の人………とか?

「おばさん…この年で優ちゃんは…その、もう…ちょっと…。あの、優也と呼んでくださ、い…。」

先生はお母様に話しながらこちらを向いてきた。
あ…やっと私に気付いたみたい…?

先生は目を見開いている。
なんかすごく驚いてるみたい。そうだよね?

…相手が生徒なら。


「だめよ~優ちゃんは、いくつになっても優ちゃんだもん♪」

お…お母様なんかテンション高いなぁ。

それよりも、
なんで優ちゃんとか呼んでるわけ!?

有り得ないよ!

先生困ってるし…。

私は…今まだドアの前に立っている状態…。

座って自然に会話に入るべきか…。
…それとも呼ばれたら中へ入るべきか…。

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