私の秘密の旦那様

「渚ちゃん…よね？」

栞さん？って女の人が話し掛けてくれてようやく中に入りやすくなった。

「はい、渚です。」

「大きくなったわね♪
最後に会ったのは渚ちゃんがまだ生まれたばかりの時だったのよね（笑）」

「は、はぁ………。」

だからか…私は覚えていません。
それより私は先生が気になってしかたない。

「どうしたのよ、優也も渚ちゃんも。

そんなにチラチラと…。もしかして二人とも知り合いなの？」

栞さんの一言で体がﾋﾞｸﾝと反応した。

「知り合いというか…その…。」

そこまで言いかけた時だった。


「渚は俺のクラスの生徒なんだよ。」

い、今…先生、私のこと“渚”って呼んだよね？

いつもは“秋本”なのに///
はじめて、“渚”ってよばれちゃった。

うわぁ…どうしよう！
そんな小さなことでもすごいかなり嬉しい…////

「まぁ、渚、本当なの？」

「…はい、お母様。」

あなたは私の担任の先生を知らなかったわけ？
学年だよりみたいなお便り、見せた気がするけど？
…ま、いっか。
先生と会う機会はなかったわけだし。

「やっぱり運命よ☆この際、秋本を継がなくても横峰になってもいいわ。
横峰さん、うちは大賛成です。」

「秋本さん、うちも同じく大賛成です。」

ハァ？なにが？なにが賛成なの？
秋本を継がなくても？
意味不明な言動やめて欲しい…。

…さっきまで名前で呼んでたのに急に今度は苗字!?

全然わけがわからない。


「あとは…本人達次第ね。」

「私たちはいったん出ましょうか。」

「「じゃあごゆっくり。」」

ｶﾞﾗｯ…

「ちょっと…お母様、お父様方…
」

ﾊﾞﾀﾝ

私は先生と二人っきりになっちゃった。

「…………//」

「……………渚//」

最初に沈黙を破ったのは…先生だった。

「…はい///なんですか？先生…」

さっきから渚って呼ばれてるよ私！

なんかすごく嬉しい！

視線を先生に向けると…先生は、今までに見たことない表情を浮かべていた。
顔を赤くして。