私の秘密の旦那様

最後の授業

ガラ…

「あ………秋本さん。

話しは聞いてるわ。
せ、席に着いて。
教科書58ページね。
もう終わっちゃうけど…」

キーンコーンカーンコーン…

そう先生が言い終わったと同時にチャイムが鳴り響いた…。


「起立
気をつけ、礼」

なんか…
今はなにも考えたくない。

ごめんね、優也。
ごめんなさい……。

「渚!」

「ナギ!」

「……凜ちゃん、
……………真ちゃん」

二人はすぐに私の所へ駆け寄って来てくれた。

それだけでも、すごく

すごく嬉しかった。

「大丈夫だったか?」

大丈夫……じゃないよね…。
私のせいだ…。私のせいで……

私の目には涙が我慢出来ないくらい溢れてきた……。

「泣かないで…?
ほら、涙をふいて?」

「グス…あ、私また…泣‥いちゃっ…てる?……ダメだね私…。」


ギュウ

「真ちゃ………」

真ちゃんは私が言い終わる前に
私のお腹を気にしながら優しく、でも
力強く抱きしめてくれた。

「ナギ………?
今は泣きたければ、
泣いてもいいんだよ。

ナギが困った事があれば俺と凜ちゃんで全力で守るから、
だから…頼れよ?」

「あ‥りがとぉ…」


2人とも、本当にありがとう…。
真ちゃんの腕の中……優也のとはまた違ってすごく心が落着く…。

私、まるでお兄ちゃんに抱きしめてもらって安心する幼い妹みたい……。

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