私の秘密の旦那様
楽しい時間っていうのはあっという間に過ぎちゃうもので…

もう放課後になった。

今は誰もいない。
私しか、いない……。

そよ風に吹かれて
揺れているカーテン、
夕日が窓から差し込んでいる
放課後の教室…。


私の高校生活は終わった…。

フフッ……案外、早かったなぁ。

私の…高校生活は…。


  でも…

 私は後悔していない。

だって、
このことは自分で
決めたことだし、

なによりもこの子は
私と優也の二人の世界にたったひとつの宝物だから…。

この子を守るためならなんだって出来る。


何があっても
パパとママ2人で
あなたを守るからね。

「あなたは男の子かな?
それとも女の子かな?」

早く、、ママはあなたに会いたいです。

いっぱいいろんなお話をしてあげるからね。

クラスの人たちは
こんな私を受け入れてくれた。
なんて優しい、心の広い人達なんだろう。

みんな、ありがとう。

  だいすきだよ。


私のこと、これからも忘れないでね…。

私もみんなのことは忘れない。

「渚ママ」

「え……!?
…………優也!

おどかさないでよ―…。」

すごくビックリした…。
だって今ここには
誰もいないのに、
後ろから声がしたんだもん…。

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