私の秘密の旦那様
でも、先生は忘れろっていうし…。
なんとなく悲しくなってしゅん、となった時だった。

「…かわいい。
可愛いって言ったんだよ///」

先生は照れながら口元を手で隠しながら、そう言ってくれた。

もちろん、私は真っ赤。だって反則だよ!!
好きな人にあんな風に言われたら…誰だってこうなる、はず…。

「あ、ありがとうございます///

…そういえば先生も…、お見合い…ですよね?」

「お!正解♪なんでわかった?」

なんでって…。
さっき話してたの、覚えてないのかな?


「なんでって…着物着てここにいるし。

そもそも、さっき学校で言ってたじゃないですか~…。」

ちょっと涙目で言ってみた。
だって、さっきの会話を忘れられていたってことだもの。
そんなに…お見合い相手のこと考えてたのかな。


「悪い悪い、冗談だよ。
ちょっとからかってみたくなってね(笑)」

そう言った先生は
いたずらをする子供みたいな顔を向けてきた。

ヤバい…やっぱり先生のことが、諦められない。
たとえ、叶わない儚い恋でも、私は先生以外の人は嫌だし今は考えられない。

て…もうこんな時間。そろそろ行かなきゃヤバいな…。あとで叱られるのも嫌だし。


「あ…じゃあ私はこの辺で。

お父様とお母様に早めに来るように言われているので行きますね。」

「…おぉ、じゃあ明日、お互いどんな奴か話そうぜ?」

「…はい。わかりました。」

本当は先生のお見合い相手がどんな人なのか…先生がどう思ったのか…気にはなるけど…

聞きたくない自分がいる…。

でも、先生と話せる話題が…約束が出来たってことのが嬉しいからまぁ、いっか……。


その場を離れたあと、遠くに見える先生の背中をじー、と見てみた。
やっぱりカッコいいな。


って、こんなことしてる時間ないじゃん!

すぐに私もさっきのお部屋に戻った。

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