私の秘密の旦那様
どうしよう…
もしも、遅れてたら…。

先方に失礼な態度になってしまってお父様やお母様に恥をかかせてしまう。

何時に戻ればいいかとか、聞いておけば良かった。

ガラッ

「…お父様、お母様。」

部屋に行くと、まだお父様とお母様しかいなかった。

「渚Good timing♪ 
もうそろそろ来る時間だから、呼びに行こうとしてたとこだったのよ♪
でも、ちょうど良かったわ。」

「…お母様テンション高くない、ですか?」

本当………、珍しいな。
こんなにテンション高いお母様って…。

いや、普段もテンションは高いがここまでじゃないし…。

「当たり前よ―♪

だって今日こそはこのお見合いまとめてみせるんだから!」

うっわぁ―…ますます断りずらい…。

なにあのテンション!…まぁ口には出せないけどね。

   絶対断る。

私が好きなのは先生だもん。

お母様とお父様には悪いし私が先生と両思いになれる確率は


まず無いだろうけど…ね。

それでもやっぱり…

私は先生だけを見ていたい。

先生に、恋をしてるから。


私よりも……10歳年上の男の人。

先生と同い年の人…。

もし……このお見合いが先生とだったら…。

そしたら私は……


なんて…。
そんなこと起こるはずがないよ。

私がお見合い、断っても…

先生が……今日、お見合いの人のこと
好きになっちゃって

結婚しちゃったりして……。

もう、年齢的にも先生はいい歳だし。


…いい加減、私も現実を見て新しい恋、
見つけるべきかな………?


先生以外の誰かを………考えただけで涙が出てきそう。

私……本当に、先生のことが大好きなんだ…………。


自分の人生の選択なのに。
基準は…先生だなんて。



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