5♂×♀~狼と兎~


「歩…話があるんだけど…」


突然母が切り出した…

「なに?話って??」

「実はね…」


母はこもった声でいった…

「明日から歩は…
``他の家''にあずかってもらうの…」

母の言葉に
飲んでいた味噌汁を吹き出した

「ゲホッ!ゴホッ!…嘘ぉ…」


「嘘やないよ」

母は答えた…

「どうして……」

母はしばらく黙ってから
また話始めた…

「…あまりにも貧乏(ビンボ-)で歩を養うことができないのよ…」

「そんな…」

思わず声が溢れた…


「ごめんね‥‥歩…ごめんね‥‥‥」


母はかすれた声で泣きながら

何べんも何べんも謝った…



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