旦那様は社長

こんなことで病状を判断されても困るけれど、社長もあたしが尋常でないことにやっと気付いたらしい。


「お前、本当に大丈夫か?熱あるんじゃないか?」


あたしのおでこに右手を伸ばして触れた後、

「アッチーーッ!!」

なんて大袈裟なリアクションをして見せた。


それでも無反応なあたしを見て、とうとう社長が立ち上がる。


「こんな熱いくせに、無理してくるバカがあるか」

「ですが」

「うるさい。とにかくそこのソファーで休め」


そう言いながらあたしの背中と足に腕を差し入れる。


「だ、大丈夫です!!まだ働けます!!」


ジタバタ暴れて顔を赤くしていると、

「黙れ。本気で今すぐここから落とすぞ」

と一喝された。


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