旦那様は社長

「別に悪いわけじゃないぞ?Mだからって」

「……」

「オレ、受身とかイヤだし」

「……」

「どっちもSだったら毎日戦争だろう?今日はどっちが上に乗るとか」

「……」


その後も禁止用語を連発する社長を横目に見ながら、本当に意識を失いかけた。


それは色んな意味で。


上司としても旦那としても。


この人を選んだ(選ばされた)あたしの未来は、この人の側でずっと輝いていけるのだろうかと。


「光姫?」

「え……」



最後に見た光景は、社長が慌ててあたしに駆け寄る姿。


「光姫!!……おい!光姫ッ!!」


遠くであたしを呼ぶ声が、少しずつ聞こえなくなった。


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