旦那様は社長

それからの記憶が全くない。


社長は瞑想するあたしを静かに見つめていたくせに、突然口を挟んできた。


「お前、そうとう乱れてたぞ?」

「え?」

「お前があんまりオレを煽るから収拾つかなくなってさ。つい激しくしちまったけど、身体……平気か?」


最後は本当に心配そうな顔に変わったから、

「うそ……」


信じてしまった。


名実ともに社長の妻になったのだと。


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