旦那様は社長
「オレは断然、清楚な白派だ」
「ちょっと!はぐらかさないでちゃんと答えてよ!!」
「旦那の好みくらい知っとけよ」
頭をグリグリと撫でられた。
「旦那だなんて思ってないし!!」
そう叫んだ瞬間、社長の瞳の奥が鋭く光ったのが分かった。
今、あたしは地雷を踏んでしまったかもしれない。
いつもより低いトーンで質問攻めにされる。
「お前の苗字は」
「……有栖川」
「お前の住居は」
「……このマンションです」
「生まれながらのセレブにして、お前の夫の名は」
「有栖川……悠河」
社長は満足そうに笑って、あたしの身体を引き寄せた。