旦那様は社長

「社長、顔……赤いですよ?」

「うるせーよ」


そう言うと社長は耳まで真っ赤にしながら、勢いよく顔を背けた。


もしかしてこれって、照れてたりするのかな?


熱もあるからか、いつものあたしとは違う“社長をイジメたい”感情が沸き上がってきた。


「ねぇ、悠河。お願い。こっち向いて?」


ちょっとだけ大胆な甘い声を出してみたり。


案の定、社長は更に顔を赤くして完全にあたしに背を向けてしまった。


「悠河ぁ?」


あまりにもその仕草が可愛らしくて、あたしは社長の肩に頭を乗せて誘惑を続行した。


「おま……ッ!!」


すごい……。


あの社長がこんなに動揺してる!!


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