旦那様は社長

けっきょくあたしの負けか。

いつも振り回されっぱなしだから、ちょっとは困らせてやろうと思ったのに。


「オレで遊んだつもりか?それで」


完全にバレてる。


「バーカ。百年早いんだよ。オレを振り回そうなんて」


「何よ!あんなに動揺しまくってたくせに!」


「はぁ?それはお前の幻覚だ。さっさと食って寝ろ‼」


そう言って社長は部屋を出て行ってしまった。


「ぜったい逃げたよ」


部屋を出る時、一瞬だけ見えた社長の頬。


「ぷっ。……タコみたい」


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