旦那様は社長
今度は自分でお粥を食べた。
「ほんとにおいしい」
社長が作ってくれたお粥には三つ葉やエノキ、卵が入っていて、ちゃんと栄養が考えられているようだった。
「あの社長が、こんなことするなんて……」
正直意外で。
あたしが例え野垂れ死にしようが、社長は無関心だろうと思っていた。
お粥を完食し、お腹も心も満たされて、心地よい深い眠りにつく。
そして翌朝。
「な、なッ、何これーーッ!?」
有栖川家の一日が、あたしの悲鳴から始まった。
「なッ、なッ……」
もう言葉になんてならない。
「どうしたんだよ。朝から……うるせーな……」
かなり不機嫌な様子の社長が、叫び声を聞きつけ、寝室から出てきた。
どうしたもこうしたもない‼