旦那様は社長

あたしきっと今、もの凄く醜い顔をしてるに違いない。


「お前、本当に今日おかしいぞ?何があった?」


そんな心配そうな顔しないでよ。


あたしのことは何でも調べあげてるくせに。


自分のことは何もあたしに教えてくれないんだ。


「そっちこそ、今日……どこ行ってたの?」


不自然だと思われないように、何でもないように聞いた。


だけど、言葉を詰まらせたのは社長の方。


「今日……?」

「うん」


話してほしかった。


本当のことを。


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