旦那様は社長

「今はまだ言えない」

「……どうして?」


あたし、大丈夫なのに。

受け止められるのに。


「彼女とは大学時代に付き合ってた。……でもとっくに終わってるよ」


「じゃあ!!」


「ダメなんだ。今はまだ話せない。……全てをハッキリさせたら、お前に必ず話すから」


弱々しく苦しそうな目であたしを見下ろす。


「何をハッキリさせるの?それくらい教えてよ……」

「……」

「それって、あの男の子?あの子はまさか……」


「光姫!!」


突然怒鳴られて身体が竦んだ。


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