旦那様は社長

「頼むから、オレを信じてくれないか？今はこれしか言えないんだ。時期が来たら必ず話すから。だから、光姫……」


いつもあんなに自信に満ち溢れた人が、何にこんなに怯えているんだろう。


あたしがその不安を取り除いてあげられればいいのに。


「あたし、信じていいの？待ってていいの？」


「あぁ。オレはお前だけを愛してるから。だから、お前を裏切るようなことはしない」


「……分かった。待ってる、あたし。そんなに長くは、無理かもしれないけど」


「大丈夫。もうすぐだから」


何度も『大丈夫』だって言ってくれたのに。


どうして不安が消えないんだろう。


信じたいと願う気持ちは、ウソじゃないのに……。