旦那様は社長
「ねぇ。お仕事、どうしたの?」
「お前に電話切られた後、徹夜で片付けたんだよ」
社長の疲れきった顔を見れば、無理してくれたのがよく分かる。
「ったく。お前くらいのもんだぞ?オレをこんなに振り回せる女は」
社長の憎まれ口すら愛の言葉に聞こえるあたしは、ものすごく単純。
あたしの頭を優しく撫でてくれる社長の魔法の手は、今のあたしにとって何よりの安らぎになっていた。
それからは、2人でピッタリ身体をくっつけあい、久々に寄り添う時間。
このまま時が止まってしまえばいい。
なんて、いつからこんな乙女チックにな言葉を思い浮かべられるようになったんだろう。
社長の側にいると、自分でも知らなかった色んなあたしが見えてくる。
「今がずっと、続けばいいのに」
「え?」
「このままずっと、2人っきりでこうしていたい……」