旦那様は社長

社長の子供なら、当然彼女の言うように有栖川の正当な後継者。


そうなれば、正式に有栖川家に迎え入れられる。


もしもそうなった場合、あたしの居場所はどうなってしまうんだろう。


ひょっとして、邪魔なのはあたしなの?


社長のお荷物にはなりたくない。


だけど側を離れたりできない。


ずっと側にいたい。


だけどそうやって自分の気持ちに正直であろうと思うたびに、踏み止まらせようと浮かんでくるのは、彼女の勝ち誇った笑顔。


あくまで、大河くんは社長の実の息子であると言い張る強気な態度。


その絶対的な自信は、やっぱりそれが真実だからなのだろうか。


< 265 / 334 >

この作品をシェア

pagetop